
星美百人一首
平成17年度星美百人一首
- 見上げると腕に花咲く桜の木 旅立ちの不安和いでいく
- 誰もかも同じに見えし桜道 希望と夢を胸に描きて
- 道端に色とりどりの命たち 小さく小さく咲いていた
- 昨年まで中一みんな緊張で写真の顔がひきつっていた
- 母の日に忘れたようなふりをしてそっとさしだすカーネーション
- 短冊に願いをこめて笹の葉に飾ればきっと夢が叶う
- 海の音潮のにおいがつんとくる花火の音が心に響く
- 真夏日のプールサイドの足跡は大小さまざま個性あふれる
- ふきわたる風を稲穂に見ゆる日は風の姿がしばしあらわる
- 稲刈りを手伝いし昼下がり 吹く風に知る秋の深まり
- 日は沈み 小さなほおは赤くなり大きな手へと子どもは帰る
- カサコソと枯葉たちがついてくる 歩くわたしに内緒の話
- 銀世界 時間が止まる静けさにキシキシひびく長靴の音
- 新雪に足踏み入れるその時は 誰もがみんな童心にかえる
- サクサクと霜柱ふみ学校へ かじかんだ手に重たいカバン
- 粉雪がちらちらと舞うこの街に 時の流れに季節の流れに
- 炎天下 玉汗流れボール追う あなたの背中そっと手で押す
- 夏空に はかなく散りゆく火の花は 私の心に大輪咲かす
- 夕暮れの 空一面に赤紅葉 わたしの頬をごまかすように
- 金あれば何でも買えると言った人 神の光が氷を溶かす
- 雪の中 ポツンと咲いてる花がある とけた粉雪キラキラ光る
- 吹いた風 かみの毛ゆらす潮風が 羽を作った夏の空へと
- 北風が 天を掃いてる透明にこんなに近くに富士山見える
- 青春の すっぱい思い背おいつつ 輝け弾けろ夜空に高く
- 日に焼けた その手で交わすハイタッチ 勝利が見えたその瞬間に
- 雪の道 かすかに残る 足跡を 消さないように消えないように
- チョウのむれ 黒板消しから舞いいでる じゃれあいながら空に消えてく
- 冬空に ふわりと舞い散る花びらは 寒さを知らせる雪の花びら
- 初雪が なかなか降らない東京で みかんを重ねて雪だるまにする
- しんしんと 降り積もる雪眺めれば 逆流していく白いため息
- 休みの日 家でゴロゴロしてる父 疲れていてもやっぱりジャマだ
- 霜柱 重い土を押し上げる 白く浮き立つ 冬の公園
- 時計より強い光に起こされて夏が来たのをまぶたで感じる
- 夏の夜暑さに負けて起き上がる 窓を開けるとそこに満月
- 新潟の楽し思い出 合奏は風の観客 拍手喝采
- 部活中流せばよかったこの涙 ブザーと共に敗戦決まる
- 盛り上がる生徒の声が熱くなりメラメラ燃えてる学年旗
- いわし雲 青のキャンパスに描いてる神様からのお知らせ届く
- くもり空 私の気分もかすむ時 瞳をとじて丸くなる
- 寒空にポタポタ落ちる冬の華 白い野原で次々開く
- 夜空見て昔の自分思い出す 今の自分と合わせ鏡
- いつの日か旅立ちの日が来るんだね これから先も我等心友
- ふと思う みんなに出会えたこの奇跡は今の自分がここにいる理由
- 四月から大きな一歩踏みだそう 自分を変えるチャンスが来たぞ
- 十五歳 志学の時とはいうけれど勉学よりも音楽が好き
- きっかけは道に落ちてる石のよう 自分で拾う 180度
- 「急がなきゃ」自分の心追い詰めて 小さな幸せ見落としちゃうね
- 平和とは終戦になっても訪れぬたった一つの人間の課題
- 爆弾におびえてくらす幼子はドロップなめて笑顔をこぼす
- 新たなる希望にもえる学校の行き帰りの道 高一の風
- 「自転車の後ろに乗れよ。」と君が言う夢から覚めて見た桜散る
- 早朝のオレンジ色に吹く風が私と夏を仲良しにする
- 夏の海夜のしじまに潜む闇叫ぶ我が声を飲み込み静か
- 秋の海夏の賑わいかげもなく落ちているゴミに寂しさ感じる
- 落ち葉散る秋の空見て君想う君はこの空見ているのかな
- 北風に枯れ葉が揺れて散ってゆくどこかへ逃げたい私の心
- 寒椿ほろりほろりと白雪に降り敷く紅の艶やかさかな
- 書き初めに「天主の聖母」としたためて豊かな思い胸にあふれる
- 美しく開き始める花のように夢も実れと願う初春
- 元旦の零時のメール嬉しくて受信日時をしばし眺める
- 人気なき雪に埋もれる早朝の道走った元日が祖父の命日
- 傍らで眠る子犬の背を撫でて「ありがとう。」とそっと呟く。
- イチローを観戦しながら臨席に日本人だと自慢する私
- 鼻先が赤くなった君を見て「おそろいだね。」と呟いてみた
- あなたからの返事を待ってる間だけ空気と時間は密度を変える
- コンビニのバイトの彼も居なくなりもう会うこともない学校帰り
- 花想う私の心は不安定 桃の枝葉に息がつまる
- この場所で毎年見ている桜の木 何かが終り新たな何か
- 咲き誇る桜の木にふく春風が 花びら一枚そっと掠める
- 黒髪の祖父の笑顔と桜の木 古いアルバム見て懐かしむ
- 目を閉じて感じる風は暖かく 新たな一歩後押ししてる
- 桜花巣立つあなたに舞い落ちて 光り輝く人生の節
- 雲間からこぼれる光身に受けて 天の恵みに幸せ感ず
- 灼熱の太陽のごとき情熱を 燃やしてみたい十七の夏
- 学園が自然のペンキで塗り変わる 黄色い木々とゆれる心
- 障子より机上照らされ耽読す 尾花ささやく満月の月
- 団欒に現るみかんに手が集い 気付けば机上に白花散るのみ
- 凍えてる心とかじかむ手足とに しみいる風呂の湯の恵み満つ
- 出逢いあり別れるときがあるならば 記憶に残る人になりたい
- 走る走る川とおんなじスピードで 後ろは絶対ふり返らない
- 一瞬に時は去り行く「過去」は逃げ 追うは「未来」か「今」は掴めず
- 喉かわき水分補給するように 心のかわきも潤せたなら
- 何も無い空を見ていてさびしくて 絵の具を取りて大きくなげる
- 師団坂のぼりはじめて六年目 四季折々の花と制服
- 春の日にやさしくほころぶピンク色 きれいにかおる遅桜かな
- 揚羽蝶キラキラ輝くその姿 どこまでゆくかと見守る私
- 花火みてドンという音胸にしみ 強く背中をたたかれるよう
- ついに来た高校最後の夏休み やりたいことはやり遂げよう
- 天の川時々見せる流星に 願うは合格三度つぶやく
- 暑い夏にセミもなくなく夜行性 私もなくなくお勉強
- 夏だから?いつもみている横顔がなんだかいつもとちがってみえる
- 君なしで乗り切ることはできないと 参考書に愛をそそぐ
- 白い波寄せ返しつつ砂浜は この夏いくつ想い出作るか
- 夏終わりエアコン切って窓を開け すずしい風に秋を感じる
- ピンクペン減りが早いは○と× どちらを多くつけてきたのか
- もう着ない小さくなった冬ベスト さみしいけれどスタートライン
- 憧れの学び舎目指しひた走る 半年あとを夢に見ながら
- 来年の春にはみんな別の道 ずっとわすれない星美での日々
- 誰よりも知っているはずのヒトなのに 「ワタシ」を表現する難しさ
- 八幡平まだ消えやらぬ雪見えて 裾野は赤き山つづじ咲く