
星美百人一首
平成18年度星美百人一首
- ピカピカの制服を着てくつをはき やさしい風につつまれた春
- 新しい制服を着て 少しだけ鏡の前で背伸びしてみた
- 木のもとで休んでいると どこからかささやく声が聞こえる聞こえる
- 部活中 水槽横の景色から真っ赤に燃える富士山を見る
- あっ抜いた あっまた抜かれた よし抜いた 優勝分からぬ運動会
- こたつから出ることできずカメになる 磁石のような冬の日のこたつ
- 初めてのマフラー作り 一目ずつすすんでいるがいつ巻けるかな
- 寒い夜 白息はきて肩すくめ見上げし空に オリオン座
- 冬の夜に静かに響く星の音は みみずく奏でる森のオカリナ
- 除夜の鐘 時とともに消えてゆく 音のなごりをかみしめ祈る
- 懐かしい友から届いた年賀状 変わらぬ筆跡 笑みがこぼれる
- 書道展 墨のにおいに誘われて筆をにぎった新春の朝
- 暖冬で あわてんぼうの菜の花が 頼りなく咲く二月の畑
- 冬なのに大雨警報何回目 異常気象は地球の涙
- 未来への大志を抱き突き進む 不安という壁ぶちこわせ
- 命とは電池じゃない 命とはペンじゃない 命とは何
- いつもなら見ているだけの道だけど 桜の下を歩いて帰る
- ロゼットでずっとねていたタンポポが あくびこらえておきてくれた
- ひらひらと桜の花びらさえぎって 蝶のように飛んでゆきたい
- 卒業日 校舎を出たら春風が 先へ進めと頬をくすぐる
- ひまわりが太陽向いて咲いている 前進あるのみ そう口にして
- 潮の音 青空の下 目を閉じる 夏の景色が音で伝わる
- 太陽の光をあびるひまわりよ 空まで伸びてなにかをつかめ
- 空の下 こんがり焼けた笑顔から 強いパワーがわいてくる
- 夏香る 海の潮風 海の音 外で感じる光と雲の画
- 秋の川 大きな旅に出た落ち葉 オレンジ色に光っている
- 木枯らしが運んでくれた物達は いつも気付かぬ小さな温もり
- 門松をつくる祖父みてほほえみぬ かさねかさねて百まで生きよ
- わいわいと家族集まりお正月 家族の願いをおせちによせて
- 正直に心を開いて言ってみよ やさしい顔で五文字の言葉
- 青空に紙飛行機が飛んでいく 夢をのせてもっと遠くへ
- 風は吹く にごりきってるビル風と 澄みきっているココロの風と
- シャレ好きの 元気な祖父の寒いギャグ 時代が違うと 共感できず
- 将来の わたしに向かって 努力する 中学生の 貴重なわたし
- 散らばった 個性寄り合うこのクラス 十一番はわたしの誇り
- 桜咲き 受験の頃を思い出し 夢が叶った 喜びがわく
- 「ごめんね」と 私が書いた手紙見て ちらりと見えた あの子の笑顔
- 春風を 受けて輝く桜の木 花の香りと 共に来る幸
- ここにある 友情とはそんなもん 見えないけれど わかっているよ
- 東京都 いつも輝き 星見えず つらい時には 何を見ようか
- 休日は 色々計画立てるのに 理由も立てて 家に居座る
- 校長室 生まれて一度も行ってない 唯一そこだけ 不思議な部屋だ
- 爽快に 滑る私の目の前で 止め方知らぬ 父が追い抜く
- 銀盤で 綺麗にまわる妖精を 真似して父に 正面衝突
- みんなして 音読練習したけれど 意外とそこが 当たらないんだよ
- 雨女 どこへ行くにも 傘開く 一緒に行く人 いつもごめんね
- 子どもたち 一つに集まり しゃがみこむ なにかと思えば一人でゲーム
- 空見上げ わずかに香る 春風に 悲しさ忘れ 喜び歌う
- ニュースみた その瞬間に水の泡 納豆片手に 私の努力
- また会おう 友と交わしたその約束 何かが変わった瞬間だった
- たんぽぽの綿毛がふわふわ飛びながら 自分の住む場所探してる
- 自分よりあなたのために幸せを祈る心に 花びらが舞う
- 朝陽浴び背すじを伸ばししっかりと 心あらたにシクラメンの花
- ひめゆりを涙ながらに語る瞳の 奥に映るは笑顔の友達
- 夕暮が渋谷の町を照らしてる 人々止まり擒になった
- ピストルの合図と共に球集め みんなで描く放物線
- 前だけを見つめてずっと走ってた 今は仲間を見つめて走る
- 紅葉に染まりたくない 染まらないなら青いままこの身を投げる
- 銀杏をふまないようにかけて行く 子どもを今も見守るいちょう
- ゆきだるま 私のかえり待てるかな 日かげの君に視線を送る
- 早い雪 枯葉まだつく木の枝に 薄く積もりて時も重なる
- 深々とただ降り続く音もなく 全て失う虚無の世界
- 頬紅く隣で微笑む弟よ 吐息は深く白き華咲く
- 冬休み 姉は予備校通う日々 「がんばってね」と心で呟く
- よく伸びる餅をぱくりとがっついて 成績もよく伸びてと願う
- 一年が早いもので過ぎて行く ドミノのような高校生活
- 新しいクラスと仲間と環境に 将来考えうぬぼれる春
- 好きなもの好きと言えるありがたさ 好きと言えずに黙る私
- 気がつけば高校二年 春なんてあったのかねと浮かんだ疑問
- 亡き祖母と想ひ出語る祖父の目に 映るは散りゆく桜花かな
- 見えたはず大きな花火欠けたのは 最近建ったあのビルのせい
- 瑠璃色のガラスの瓶に閉じこめた 星の砂漠は夏の思い出
- ピストルの音と一緒に走り出す 好みのパンとゴール目指して
- 大会の悔しさ胸にしまいこみ ただひたすらに深呼吸する
- かりかりときゅうりの音のさみしさに あぁ終わりねと夏を悲しむ
- 帰り道君と私の陰二つ 陰の二人は近いのになぁ
- アンテナに止まって休む赤蜻蛉 目に入る都会の秋に疲れて
- 落ち葉舞うベンチに座りふと見ると 赤や黄色を集める子供
- 冬になり制服の上にコート着る 肩に感じる過ごした年月
- 夜更けた冬の天気はふわふわと 白き雪舞う音のない夜
- 寒空の地に降る雪の白々さ 人の足あと残る道すじ
- パソコンで「佑」と打ったら「憂」と出て 機械のくせに人間味がある
- 履き慣れぬ下駄で小さく歩を進め前行く君の帯を引っ張る
- 何となく空になじんでいる雲よりもはっきりとしたあの雲が好き
- 桜咲き胸が高まるこの思い友皆己の道歩みつつあり
- 袖口の解れが見える制服に六年間の思い出がある
- 真似ばかりこの国を乱すモダニズム滅び去り行く日本の文化
- 夏の夜に花開く空見物の人の顔色鮮やかに染まりて揺れる
- 黄昏に慣れた教室かげりゆくまぶしくうつろう過ぎ去った日々
- 今年で最後と思う切なさにずっと居座る星美彩のカフェテリアかな
- 晩春の月夜の下に佇みて光を受ける一輪の花
- 朝起きてリボンの金具止めるとき「あと何回」と静かに数える
- 友人と枕を並べ朝になる話の種は尽きることなし
- 長崎の風に触ってふと思う今生きているというすごい幸せ
- 一番の修学旅行の思い出は行く先々で出会いし笑顔
- 戦時下のことを聞けば聞くほどに 今の幸せ思い知らされ
- あぶら蝉 最期の声で詠み上げる 来世のための辞世の句
- 秋風に思い重ねて変わりゆく私の中の本当の自分
- 中指のペンダコながめてふと思う今日の努力これに等しと
- 新芽から育てた土に感謝して土を支える木々になりゆく