星美学園は、カトリック女子修道会サレジアン・シスターズが設立した学園です。サレジアン・シスターズは、1872年8月に、聖ヨハネ・ボスコ、聖マリア・ドメニカ・マザレロによって設立され、イタリアのローマ市に本部を置いています。現在世界93カ国、1,535ヶ所に支部を設け、教育及び社会事業に従事しています。
創立者である聖ヨハネ・ボスコは19世紀の産業革命で揺れ動く時代に、イタリアの農家に生まれ育ちました。ヨハネは小さい時から少年たちのよき友となり、カトリック教会の司祭を目指して勉強を続けていました。司祭になった後は、家族や社会から見放されていた若者たちを育てるために、トリノ市にオラトリオという小さな学校を作り、助けを必要とする青少年のために尽力しました。
聖ボスコは社会や家族から見放されていた多くの若者たちを健全な青少年に育てたいという思いから、独自の教育理念である宗教・理性・慈愛を土台とした予防教育法を打ち出しました。この教育は家庭的雰囲気の中で、生徒と教師がお互いに愛と信頼で結ばれ、子どもたちが自ら考え、行動し、自分で納得して伸びていく教育です。
聖ボスコは人々から敬愛され、「ドン・ボスコ」と呼ばれました。ドン・ボスコは、生涯、青少年を「よいキリスト者、誠実な社会人」に育てることを目的として活動し、カトリック教会の聖人に列せられました。
2015年はドン・ボスコ生誕200周年に当たります。
1864年聖ヨハネ・ボスコは 聖マリア・マザレロに出会いました。聖マリア・マザレロは、北イタリアの小さな村モルネーゼに生まれました。やがて聖ヨハネ・ボスコの教育法を女子教育の分野で生かすために選ばれ、1872年に「サレジアン・シスターズ」を創立しました。
彼女の生地モルネーゼは、現在ローマに本部を置くサレジアン・シスターズの発祥の地となっています。サレジアン・シスターズは現在世界93カ国で活動を展開しています。
星美学園は聖ヨハネ・ボスコと聖マリア・マザレロの意志を引き継いでおり、予防教育法を現代社会に適応させながら、聡明で心豊かな女性の教育を目指しています。ヨハネ・ボスコが教育の場で一番大切にしたのは、Assistenza(アシステンツァ=生徒と共にいる)でした。「青少年が自分たちは愛されていると感じるように、青少年を愛さなければならない」とヨハネ・ボスコは言っています。日常生活の中で「共に喜び、共に生きる」教育こそ創立者の意志を受け継ぎ、信頼関係を深く結ぶことができる教育であると、私たちは信じています。